故郷会津に帰ってきた。会津の空は透き通っている。空気がうまい。水もうまい。笑顔が温かい。会津の山も川も優しい。「よく来たな。頑張っているな」って励ましてくれる。今年70歳になる母と生まれつき身体の不自由な妹の二人暮しなため、年に6回ほど家内と一緒に帰って来て、日頃出来ないそうじやお世話になっている叔父、叔母たちと親交を温める。今回も叔父、叔母は美味しい料理を作って待っていてくれた。話が弾み酒がすすんだ。カラオケで盛り上がった。笑い声が途切れなかった。
私は6歳まで会津若松に住んだ。父の転勤で埼玉の川口に引っ越したあとも、毎年夏休みの1ヶ月間は大好きな母の実家の会津田島で祖父、祖母、叔父、叔母、いとこたちと生活をともにした。厳しくも優しい祖父は今年13回忌を迎える。
仏壇に手を合わせると「人に迷惑をかけてはいけない。言った事は必ず実行しろ」って耳元でささやく。84歳になった祖母はいつも「元気か?」ってニコニコ迎えてくれる。いつまでも長生きして欲しい。自分に厳しく人に優しい叔母は商売をしているが開店して39年になると聞いて驚いた。人には言えない苦労を乗り越えてきた人は強く清々しい。継続は力。面倒見が良く賢明な叔父は体調を崩し心配したが、今は顔色もよくカラオケの声も響き渡る。私は叔父を尊敬している。叔父を目標にして生きてきた。高校生の私に叔父はよく言った。「だめはだめ」って。褒めることも叱ることも全力で接してくれた叔父に心から感謝している。「自分に負けてはいけない」ことを教えてくれたのも叔父であった。
今、一番不足している家族のコミュニケーションである。
叔父が言った。「俺は姉より6歳下だ。俺はわからないけど、小さい時きっと姉に世話になっている。人間は誰でも自分より年上の人に世話になっているんだ。だから恩返しするんだ」と。
人は自分だけで成長してきたわけではない。常に「感謝の心」を忘れず、生徒に伝えることができる自分でありたい。
それにしても会津の酒はやはり美味かった。
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