久しぶりにテレビドラマを観た。感動した。そのタイトルは「ゾウのはな子」。2頭の象の数奇な運命と、戦中・戦後を駆け抜けた二人の飼育員の姿を実話を基に描いた作品だ。
1943年、上野動物園は東京都から「戦火の拡大に備えて猛獣を処分せよ」と告げられる。飼育員たちは、自分の子どものように大切に育ててきた動物たちに、涙ながらに毒入りの餌を与えていく。クマ、トラ、ライオンら周りの猛獣が死んでいく中で、はな子ら3頭のゾウは毒入りの餌を食べようとせず、餓死させられることが決まる。
戦争という特別な事情はあったかもしれないが、人間の身勝手さで動物たちの生命を奪ってしまう。なんと残酷なことか。
戦後、タイから1頭の子象がやってくる。その子象は「はな子」と命名された。今度こそ大切に育てようという皆の思いであったろう。しかし、はな子は仲間がいる上野動物園から井の頭動物園に移されてしまう。象は集団で生活するため、たったひとりになってしまったはな子は強いストレスに襲われる。ある夜、酒によって象舎に紛れ込んだ人間を殺してしまう。そして、新しい飼育員のことも。そんな時、上野動物園で子象だったはな子の世話をした飼育員が心を閉ざしたはな子の前にやってくる。飼育員は一日も早く昔のはな子に戻って欲しいとの思いから、昼夜を問わず、家庭も顧みず、ひたすらはな子に関わっていく。朝から晩まではな子に語りかける。そして数年の時間が経過したある日、はな子に飼育員の思いが届く。
親が子どもを殺してしまった。子どもが親を殺害し首を切断してしまった。兄が妹を殺害し身体をバラバラにしてしまった。何と悲しい出来事が多いのだろうか。「コミュニケーションの欠如」などと短い言葉で表現できるほど単純な問題ではない。
子どもたちが夏休みの今こそ、原点に返って、「生命の尊さと人に対する優しさの重要性」を親子で語り合っていただきたい。「家庭における親子のコミュニケーション」が子どもの成長にとって最高の栄養であると確信する。
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