先日ある中学校で生徒対象研修会を実施した。参加者約130名。ちょっと早めに会場に到着した。ちょうど生徒たちが教室から会場に移動中であった。笑顔で挨拶する生徒もいた。今日の生徒たちは元気がよさそうだなと彼らの表情を見て感じた。初めてお会いする先生もいたが目を見て挨拶する先生が少なかったのが気になった。
チャイムがなった。全く静かにならない彼ら。大丈夫だろうか。話を聴くことが出来るのだろうか。隣近所に座っている友達との雑談が弾む。先生が前に立っても平気で話す。後を見て話す生徒も何人もいた。小学校時代の自習の時間を思い出した。でもあの時は先生が教室に戻ってくるとみなシーンとなった。前に立った先生も特に注意することなく淡々と話した。
学年主任の先生が前に立った。それでも彼らの様子は一向に変わらない。きちんと前を向いて話しを聴いている生徒もいるが、相変わらず周りの友人たちと喋っている生徒のほうが目立つ。それも笑顔で堂々と。「静かにしなさい。君たちは人の話が分からないのか」。いつもおっとりしている主任の先生が珍しく声を荒げた。一瞬静かになった。が、数秒ももたない。
研修会が始まった。挨拶をしたが全く声が出ていない。覇気がない。さっきまでの「あの元気」はどうしたことか。挨拶をやり直した。今度は大きな声で挨拶出来た。「やれば出来るじゃないか」。褒めた。前を向く生徒が増えた。
きっと彼らはいつもこうなんだと思う。今日だけ出来ないなんてことはない。今まで「人の話を聴くことの大切さ」や「人の話を聴く姿勢」を教わってこなかったのであろう。可哀想でならない。指導する親や先生の責任は重い。今出来ないことが急に出来るようになることはない。日々の指導の積み重ねが大切だ。
勉強を教える前に、何のために勉強するのかを教えることが今の彼らにとっては非常に重要だ。時間を守ること。挨拶をすること。人に迷惑をかけないこと。友達が困っていたら手を差し伸べてあげること。お世話になったら「ありがとう」を言う事。人の話を真剣に聴くこと。彼らに伝えなければいけないことが山ほどある。彼らの将来のために「当たり前のことを当たり前に出来るように」家庭で、学校で指導して頂きたいと願う。これからも言い続けようと決意した。
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何の為に必要なのかが分かれば、取り組みやすくなると思います。今はできなくても、できるように努力していく事が大事だと思います。
投稿情報: KENT | 2009/06/05 06:36
たしかに今まで出来ていない事を急にやるのは難しい。
であるならば今から頑張ればいい。
新たな気持ちで日々、挑戦できる自分でありたい。
投稿情報: 320 | 2009/06/03 12:23
人は、生まれてから、親や周りの方々に支えてもらい成長してきていることを考えれば、
一人では生きていけない。
そのことから人への「感謝」と「言葉」はどこかで、また、どのようにどの方に世話になるわかりません。縁があれば、自分が取るべき態度や振る舞いは、少なくとも不快な印象を与えない方が、今後の自分にプラスに展開していく。
早い時期に礼節などを知ることは、より良い人生を踏めると思います。
投稿情報: ピンポン | 2009/06/02 12:30