教育現場の風

樋口先生の温かさに触れた。心から感謝。

１２日午後、明星中高。

１３日は朝から日出中高、トキワ松学園、自由ヶ丘学園。

１４日は顧問税理士の西川先生との打合せ、上野学園と、短期間で一気に仕事を進めた。

東京に戻って来た時に出来るだけ多くの学校との打合せを計画した。

学校の先生方も私の状況をご理解頂き私に合わせてくれた。また母を心配して頂いた。

 

１４日は朝から何も食べていなかったのでマリ子に上野まで来てもらった。

久しぶりの上野。東京も雪が降り、会津ほどではないが雪が積もっている。

大好きなガード下の大統領で一杯やった。ひと時の安らぎだ。２件目はかに道楽に伺った。

店長は福島出身。上野に来た時たまに顔を出す。

気分がよくなってきたので、樋口元先生（京華）行きつけの店に行こうということになった。

マリ子が樋口先生に電話した。先生はご自宅に帰る途中であったが、わざわざ上野まで引き返して来られた。

大変恐縮。

　

「お母様どうですか？」。心配して頂いた。数年前の年末に奥様と会津田島に遊びに来て頂いた。

母が東京に泊まりに来た時もご一緒した。

樋口先生は車なのでウーロン茶で私たちの酒にお付き合い頂いた。

励まして頂いた。心の底から嬉しかった。

帰りは雪の中、板橋本町の自宅まで送って頂いた。

樋口先生の温かさに触れた。心から感謝。

強い母が子どものように感じた。

１２日早朝５時に起きた。マリ子はもう起きて出発の準備をしていた。

午後３時から明星中学高等学校の倉田先生との打合せがある。

無理を言って新年度の打ち合わせを１２日にして頂いた。

 

出がけにマリ子が母に近づいて「ママ、仕事で東京に戻るけど１５日にはまた来るからね。風邪ひかないでね」と言った。

母は「雪道だから気を付けて」とマリ子に口パクした。

 

私も母に近づいて「また来るから」と言った。

母はニッコリ笑って「またな」と口パクした。

 

病室から出ようとしたら、また母が何か口パクした。

「何？」と母のそばに引き返すと、「運転気を付けて」と口パクした。

東京に帰るときのいつもの光景だ。

仕事と分かっていても離れるのが寂しいのだろう。

強い母が子どものように感じた。

 

「じゃあね」。再度言葉を返した。

諦めたような表情にうつった。

 

また来るから。元気で。心で祈った。

一杯食って、一杯飲んで、ゆっくり寝ろよ。

昨晩もマリ子と二人でよってんべ（叔父が営む居酒屋）に行った。

食材買ってマリ子の手料理もいいが、田島に次いつ来るかわからないのに食料を余らすことは出来ない。

それ以上に叔父（豊）、叔母（洋子）の笑顔を見ながら一緒に飲みたかった。

 

耳の違和感があり坂井先生に診てもらったことを話した。

 

「大丈夫か。どうだった？」。

叔父も叔母も心配そうに尋ねた。

急性の難聴で本当は入院治療が必要なこと。

今はその環境にないので強い薬をもらったこと。あまり無理をしないことなど伝えると、もっと心配な顔になってしまった。

 

「お母さんのことも大事だけど自分の身体を大切にしろよ。耳が聞こえなくなったらあっちゃんの仕事だって大変なことになっちゃうから‥‥」。

 

「のんびりやるよ」。

 

「一杯食って、一杯飲んで、ゆっくり寝ろよ」。

ビール、日本酒、焼酎。

心が休まる楽しい一夜だった。

「アッちゃん、マリちゃんお疲れ様」 温かい笑顔と言葉に癒される。

昨日、少し身体を休めるために実家の会津田島に戻って来た。

母には悪いが二日ほど病院から離れてゆっくりしようと考えた。

耳の違和感は全く変わらない。

 

田島に着くとまた水道が凍っていた。水が出ない。お湯が使えない。

マリ子が興和設備の阿久津さんに連絡した。阿久津さんは忙しいのにすぐに駆けつけてくれた。本当に有難い。

あっという間に水道から水が出た。東京では当たり前だが雪国では毎日使わないとすぐ凍ってしまう。

 

夜、叔父（大山豊）が営む居酒屋よってんべにマリ子と行った。叔父は母の一番下の弟だ。母の見舞いに叔母（洋子）と二人で週に２・３度病院に足を運んでくれる。

 

「アッちゃん、マリちゃんお疲れ様」。

温かい笑顔と言葉に癒される。

「ほらこれ食え。ほらこれ飲め」。

一生懸命気遣ってくれる。

「おめえら（おまえたち）は凄い。いくら親でもそこまで出来ない。昭ちゃん（母）は幸せだ」。

いつもは母も一緒によってんべに来るのに。

 

熱燗と鍋の温かさ以上に人の温かさに安堵した。

母がこんな時に私まで発病してしまうとは。一日も早く治さなくては。

昨日午前中、母の主治医坂井先生に耳を診て頂いた。

一昨日は耳の違和感に不安な一日を送った。

　

母は自分のことを差しおいて私を心配した。

「急にどうしたんだろう。疲れだな。坂井先生によく診てもらえよ」。

母の口パクも分かるようになってきた。

マリ子も不安げな表情だ。

「大丈夫。疲れだよ」。自分に言い聞かせた。

 

１２年前に甲状腺の手術を受けたマリ子も一緒に受診した。

 

「急性の難聴です。本当なら入院して治療すべき状態です。ただ、今の状況では無理でしょうから入院患者と同じ強い薬を出します。完治しないケースもあります。出来るだけ無理をしないで下さい」。

 

母がこんな時に私まで発病してしまうとは。情けない。一日も早く治さなくては。

マリ子の甲状腺に大きな問題がなかったことがせめてもの救いだった。

 

病室に戻ると母が「どうだった？」と口パクした。不安そうな眼差しだった。

「大丈夫だよ。特別にいい薬もらったから」。

すぐに診て頂いた坂井先生に感謝。

２月４日、右耳に違和感を覚えた。

聞こえずらい。どうしたのだろう。詰まっている感じ。まるでプールに潜っているようだ。

こんな時に。

 

主治医の坂井先生に相談した。

「きっとストレスです。明日私が診ましょう」。

有難い。

不安で一杯になった。