平家の落人が隠れ住んだと伝えられている奥会津の秘郷「桧枝岐」に行った。
江戸時代から親から子へと260年もの間受け継がれてきた「桧枝岐歌舞伎」が有名である。自然あふれる尾瀬に行くには必ずこの地を通り、時間的な余裕がなく、尾瀬まで行くことが出来ない方にも、尾瀬を体感できる「ミニ尾瀬公園」がある。また「裁ちそば」の味は格別である。そんな桧枝岐で「真夏の雪まつり」があると聞いた。全くイメージがわかない。真夏に雪?今日は田島でも28度ある。
叔父によると、「冬の雪を大切に保存し、スキー場の斜面一面に雪を敷き、そこで祭りを行う」そうだ。好奇心旺盛な私は非常に興味を持った。妻(マリ子)、母(昭子)、妹(節子)と4人で会場に向かった。実家の会津田島から車で1時間10分ほどで着いた。まず驚いた。真夏なのに、斜面一面だけ確かに雪がある。子どもたちは元気いっぱいそりで遊び、おとなは生ビールで渇いたのどを潤している。祭りのスタッフの方たちは「山人」と書かれたそろいのTシャツを着て、汗だくになって、焼きそばや焼き鳥を焼いていた。雪の上に設置したパラソルのついたテーブルに着くと、さすがにひんやりとして気持ちが良かった。体感温度が全く違う。元気な子どもたちが大勢いで活気があった。今年で15回目だそうだが、毎年この祭りを楽しみにしているのだろう。
帰り際スタッフの方に伺った。「どうやって会場を作っているのか?」 「スキー場の斜面に積もった雪を一箇所に集めて、その上から厚いシートで3重に覆い、雪が解けないように保存する。祭りの3日前にシートを剥がすと、氷の塊のような状態になっている。それを砕きながら会場全体に雪を敷いていく」とのこと。
真夏に雪?常識では考えられない。「暑い日に雪があったらいいのにな」という夢を実現させた知恵と努力が素晴らしい。「やれば出来る」を証明している。スタッフには真っ黒に日焼けした若者が目立った。そして彼らの顔は「満足」に溢れていた。
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