朝青龍の問題が世間を騒がしている。
優勝回数21回。強い横綱である。2003年に横綱武蔵丸が引退後、白鵬が横綱に昇進するまでの4年間は、ひとり横綱として大相撲を支えてきた。しかし、日頃テレビでしか見ることが出来ない地方の相撲ファンが楽しみに待っている「地方巡業」を腰と腕の怪我で欠席しながら、祖国モンゴルでサッカーをした朝青龍の行動はあまりにも軽率だったのではないだろうか。ルールはルールである。相撲協会は秋場所(9月)、九州場所(11月)の出場停止という大変厳しい処分を決めた。
昭和の大横綱大鵬が「変わり映えのない丸い土俵の中で、毎日毎日コツコツ練習することで強い精神力が培われる。丸い土俵は人生の全てを教えてくれた。朝青龍は強い横綱なのだから絶対乗り越えて欲しい」とのコメントを聞いて納得し感銘した。
問題の根本は何なのか。私は「師匠の指導力の欠如」ではないかと思う。朝青龍の母親は朝青龍が日本に来るときに、「日本に行ったら早く日本の水に慣れろ」と激励したという。母親は偉大である。横綱といってもまだ26歳。それもモンゴル出身の外国人。相撲の厳しさ、横綱の責任の重さ、日本人のものの考え方等、「師匠」は必死になって「未来ある大切な弟子」に教えなければならなかったのではと思う。
日頃、中学校や高校に伺うと、現場の先生方から「目標がない生徒、意欲の弱い生徒、時間や提出物の期限を守れない生徒が多い。当たり前のことが出来ない。どうしたらいいか」など切実な叫びを耳にする。おとなからみて「当たり前」と思うことを教えてもらっていない子どもたちが多すぎる。知らないことはおとなでも出来ない。「何のために頑張るのか。なぜ一生懸命やらなければならないのか。なぜ時間を守らなければならないのか」等々。身近なことを親も先生も周りのおとなも子どもたちに教える責任がある。私たちが教わってきたように。「出来ない」のではない。「知らない」だけだ。指導者の責任は重い。
朝青龍にはエールを贈りたい。「やれば出来る」と。
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