友人、富久鮨のマスター厚木美郎さんから映画のチケットを頂いた。大林宣彦監督作品「その日のまえに」。
ご長男の拓郎くんは日大芸術学部に学ぶ大学生だが、小さいときから役者を目指す好青年だ。大林宣彦監督に認められ、98年の「マヌケ先生」でデビューしたそうだ。昨年「転校生さよならあなた」では、クラス委員長役で大変目立った。日頃、富久鮨でお会いする拓郎君は、ちょっとはにかみやでおとなしいが、スクリーンに登場する彼は別人のように輝いていた。ちなみに、この映画の撮影のために彼は学校を転校した。「転校生さよならあなた」を実体験した。
「その日のまえに」は凄い作品だった。感動した。辛かった。悲しかった。人間の「生老病死」という宿命を痛感した。妻のマリ子がハンカチで目を拭く動作が横目に入って、後半は涙が流れてとまらなかった。声が出そうだった。
育ち盛りの二人の息子を持つ健太(南原清隆)の妻とし子(永作博美)は突然、病に倒れ余命1年と宣告される。健太はとし子と「その日」に向けて残り少ない日々を一生懸命生きていく。死を宣告されたとし子は、まだ幼い子どもたちやいとしい夫、年老いた両親との別れは辛い。この世を去るのはせつない。しかし平静を装い明るく振舞う。そんなとし子の気持ちを温かく理解する夫健太。「もしかしたら治るかも」というかすかな期待、希望‥。「子ども達には元気になるまで会わない」と宣言するとし子。
「もうだめだ」と、とし子の本当の状況を子ども達に打ち明けたとき、「お父さんはずるい。逃げないで。本当のことを話して」と長男は叫ぶ。真実を伝えたとき、次男は泣き叫ぶ。辛い。言うほうも聞くほうも。そして、とし子は逝く。明るい笑顔は関わったみなの心に深く強く刻まれて。
現実は厳しい。人は誰でもいつかは必ずいなくなる。だから今を真剣に大切に生きたい。生き抜きたい。生命は一つだけだ。
それにしても拓郎君の「駅長君」役は印象的だった。大林監督に選ばれたのは納得できる。みんな夢に向かって生きよう。
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久しく映画館で見る機会がなく残念です。映画館で見る映画というのは、ある意味至福の瞬間かもしれません。
現実社会で、似たような場面に回り逢う機会は中々少ないと思いますが、「もし、自分が」とか「自分も」などと共感する場面には心が揺れ動く瞬間が余韻として残るところが映画の良さと思います。
自分の心もリフレッシュしたいのでが、公私ともにゆとりがあれば時間をつくって、「喜怒哀楽」の五感をまた楽しみたい今日この頃。
投稿情報: ピンポン | 2008/11/27 22:02
昔は、よく映画を観たが、子供が生まれてからは、なかかな観る機会が減ってしまった。
「今を真剣に大切に生きたい。生き抜きたい。」とあったが、子育てを忙しいと思いながらも、子供に対しては、常に真剣に接している自分がいることに気づいた。
投稿情報: aya | 2008/11/26 21:48
初めて映画を観たのはゴジラだった。
立ち見だった気がする。
まだ幼かったので良く覚えていない。
大人になってからの方が映画を観るようになった。
それでも数えるくらいしか今まで映画を観た事がない。
観終わったばかりは、映画の中の世界に浸っている事が多い。
自分の人生観が変わる。
自分自体が変わった気がする。
良い映画を観ることは体にも心にも良いと思う。
でも少しすると忘れていつもの自分になっている。
投稿情報: 320 | 2008/11/25 06:35