ご近所に住むYさん(おばあちゃん・83歳)と懇談した。
ご主人(おじいちゃん・88歳)が昨年から病気で入院されている。おばあちゃんも足が弱ってきたそうで、杖をついて歩いているが、家のことをきちんとやりながら、毎日病院に通っているという。おばあちゃんが行かないとおじいちゃんが寂しがるそうだ。仲が良くて、ほのぼのとした「いい話」だなと思って聴いていた。
突然、「おじいちゃんはもう長くはないと医者から言われた」と言った。一瞬、どういう顔をしていいものか困った。
最近、おばあちゃんが病院に行くと、おじいちゃんが、「おばあちゃん、愛しているよ」って言うそうだ。結婚して50年以上になるが、そんなこと言われたことがないという。元気な頃は声が大きかったのに、その声はおばあちゃんの耳にやっと届くくらいだったそうだ。
また、おじいちゃんが、「今度生まれてきたら誰と結婚する?」って聞いてくるらしい。おばあちゃんが、「おじいちゃん以外にいないわよ!」って応えると、「僕もだよ!」って、嬉しそうに微笑むそうだ。
「おじいちゃんは、もう死を覚悟している。人生の総仕上げとして、最後の言葉を残している」と。毅然とした口調で話すおばあちゃんの目を見ると、おばあちゃんもまた、おじいちゃんの死を覚悟していると感じた。
素晴らしいご夫婦だな。私も「こうなりたい」と強く思った。
人間の真実の心の響きに触れて、大きな感動でなかなか寝付けなかった。
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私も80歳になってもYさん夫婦と同じようになりたいです。しかし今の自分は妻を感謝するどころか、仕事だからなどいろいろな理由をつけて妻に何もしてあげてません。今から改めたいと思います。
投稿情報: 寺田 誠司 | 2008/02/29 21:31
おじいさん、おばあさん、共に死を覚悟しているのかと感じさせる、壮絶なる人生の大先輩の生き様に触れ、背筋が伸びる思いがしました。
歌手・長渕剛の曲に「金色(こんじき)に輝け50年」という曲があります。夫婦人生50年の先輩に長渕剛が作り歌ったものです。
日記の中のおじいさん、おばあさんご夫妻。
まさしく金色に輝くお二人で築いてこられた歴史だと思いました。
自身も見習わなければ。
これから何が起こっても夫婦力を合わせ、共に今生人界の思い出を作っていこうと決意。。
投稿情報: tak | 2008/02/28 09:59
「愛してる」なんて心にも無いこと、じゃなくて、恥ずかしくていえません。
思いはあっても言葉にしないと分からない。
逆に分かっていても言葉にして改めて言ってもらうのも嬉しい。
私は嘘でも褒められたりすると嬉しいです。
それは、本気で勘違いしているからです。
と言うか、勘違いしている事にも気づいてないと言う事です。
嘘でも人は褒められ続けると本当に褒めた通りになっていくと言った話も聞いた事があります。
言葉は凄い力だ!
投稿情報: 320 | 2008/02/28 00:15
胸に刺さる感動の一言ですね。
私はまだまだ新婚3年目ですが、一生涯このような気持ちを保ち、励みにしたいです。
病気と必死に戦っている本人とそれを賢明に支えている立場。きっと双方とも痛みも嬉しさも同じく感じていることでしょう。
それにしても結婚50年以上にして、大切な宝物を得たおばあちゃんの喜びは、何物よりも代え難いものと思いました。
50年間の中身は喜怒哀楽のドラマもあったと想像します。
おじいちゃんの精一杯の感謝のメッセージが、50年を越えて永遠の「愛の証」がおばあちゃんの胸にキラキラといつまでも輝き続けることでしょう。
だいぶ前に何かで見た記憶を思い出しました。南極探検隊員の話しです。
新婚後、すぐに南極へ出発。ある日、奥さんから、一通の電報が唯一の連絡手段。そこには、たくさんの言葉が書いているかと思いきや「ア・ナ・タ」と3文字だけ。その3文字に誰もが感動し涙したメッセージ。きっとたくさんのことを伝えたかったのですが、心配をかけまいとする奥さんの配慮。夫もその3文字を糧に任務を無事遂行され、帰還したとの話。
私も頑張ります。
投稿情報: ピンポン | 2008/02/27 21:44
この記事を読み「ジワッ」としました。
明治・大正・昭和・平成とご夫婦でトキを刻まれたのでしょうね。
私も言われたいナ・・・。「おばぁちゃん以外にいないよっ」て^^
投稿情報: こづ | 2008/02/27 18:38