教員をしていたときのことである。質問してくる生徒に2つのタイプがいた。
ひとつは「ここがわからない」と言ってくる生徒。もうひとつは「全部わからない」と言ってくる生徒。「全部わからない」のは大変困る。教えるほうも手のつけようがない。
「全部わからない」ということは、「自分でも、どこがわからないのかが、わからない」のである。本人が何に困っているのかわからなければ周りはもっとわからない。
質問してこない生徒も、声をかけると「全部わからない」と言う。
「どこがわからないのかが、わかるまで勉強しよう」と言って、放課後遅くまで付き合った。どこがわからないのか明確になると生徒の目の色が変わった。あとはわからないことをわかるまで勉強するだけである。
努力するといっても、何を努力するのかわからなければ、努力のしようがない。
勉強だけでなく仕事も同じである。初めての場合は特にそうである。自分で勉強して、「ここは理解したが、ここがわからない」と、わかったこと(○)と、わからないこと(×)を明確にすることが一番重要である。
新しいことを勉強すると、「自分は何もわからないんだ」ということがわかってきた。
知らないことを知ることは楽しい。
子どもたちにも「学ぶ楽しさ」を知って欲しいと思う。
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