会津田島での母、妹との生活を終え東京に戻るとき、玄関先で母が「いろいろありがとう。身体に気をつけてな‥‥」。そのあとの言葉は詰まってしまったようで、顔を見ると目が真っ赤になっていた。最近涙なんか見せなかったのに。いろいろ心細いのかな。いくつになっても子どものことが心配なのかな。いつになっても親は親だよなって心底思った。身体の不自由な妹も自分の気持ちを人に上手く伝えることが出来ないが、いつも帰る前の晩あたりから口数が少なくなり笑顔が消える。昨晩もウルウルしていた。「マリちゃんまた来てな」。寂しさが伝わる。精一杯の話しかけ。妻も「また来るから元気でね。大丈夫だからね」と応えるのがやっとのようだ。実家に帰って来たときはみんな笑顔一杯だが、東京に戻るときはいつも空気が重くなる。「またすぐ来るから大丈夫だよ」と言って車を走らせた。
バックミラーを見るといつまでも手を振っている母と妹がいた。
「次に来るときはもっともっと成長して帰ってくるぞ」。強く心に誓う。
人と人とのコミュニケーションは言葉だけじゃないよなと改めて感じた。
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